・なぜ漢方薬を勉強するのか
一言で言えば、いろいろなお薬を扱っていて、「漢方薬でないと治せない病気・患者様がいるから」です。
漢方薬はインチキくさい、効く訳ないだろう、高いのだろうと言うのが皆様の漢方薬に対するイメージだと思います。
私自身も以前はそう思っていましたし、正直まだそう思われても仕方ないことも耳にします。
ただ、漢方薬は決してそうではないのです。 風邪薬などは化学合成薬を使うよりも、漢方薬を使ったほうが、治りが2〜3日早くなるというデータもきちんとあります。お値段も3週間分で¥3,990~¥5,040位の価格帯です。
太陽堂薬局の目標は「地域で最も信頼されるかかりつけ薬局」です。
処方箋とは、医者が「この患者に、このお薬を渡してあげてください」と言う指示書です。
当然処方箋がないと、お渡しできないお薬は、処方箋が必要となりますが、患者さまからすれば、OTC(お店で売っているお薬)も処方箋でもらうお薬も、漢方薬も、健康食品もただひとつしかない自分自身の体を健康にするためのお薬(食品)なのです。
処方箋のお薬だとか、店頭薬、漢方薬などは薬局の勝手な区分であって、患者様には、無関係なことかもしれません。
・漢方薬の効能
さて、本題ですが、漢方的な考え方で言えば、病気は自分が作り出したと言う考えです。
それは、食事しかり、考え方しかり、生きる姿勢しかりです。原因があって、結果があるということです。
私自身、漢方薬を勉強するまでは、そのような考えはほとんどありませんでした。
また病気に対する考え方も違います。たとえば、糖尿病、病院のお薬は、血糖降下剤を使います。これは、すい臓を刺激してインシュリンを出すお薬です。 逆の考えをします。刺激をして出るのなら、すい臓自体は悪いのではなくて疲れているだけじゃないかなと考えるのです。ではどうするか、すい臓を若返らせるためには肝を強化する柴胡桂枝湯(証により違います)、腎臓を若返らせる桂枝茯苓丸(証により違います)を使います。結果は2ヶ月もすれば現れてきます。
漢方薬がすばらしいとか、新薬は対処療法であるとか言うことではなくて、あまりにも専門化されすぎたが故に、さまざまな弊害が薬物治療の分野にも出てきてます。 薬剤師はミニドクター(医者モドキ)になってはならないのです。
私の実の兄もドクターですし、親戚関係で眼科のドクター以外はすべています。医者と薬剤師というのは明らかに違う仕事であるという事を薬剤師一人一人が認識すべきですし、一番薬剤師の職能を発揮できるのが漢方薬と考えます。
今、規制緩和の名の基に、薬に対してまったく素人の者(コンビ二・スーパーなど)が、薬を売ろうとしています。また、訪問販売やTVでのタレントなどを使った健康食品の販売は目に余るものがあります。そのような商品をチラシを出したり、山積みしたりして売るのが薬局の使命ではないのです。
薬に対する規制緩和は、必ず、国民の薬に対する垣根を低くし、アメリカが以前陥ったような、薬に対する犯罪を助長するでしょう。薬をコンビニに置いたくらいで日本経済が活性化するとは思えません。それより、病気にならない教育、漢方的発想が医療費を確実に抑制してくれると思うのですが・・・
・西洋も東洋もない
華岡青洲の墓碑医療はにこのような記述があります。
「本来、西洋も東洋もない、目の前に患者がいるだけ!患者・人間・疾病あるのみ」
まさにその通りです。患者の病気をあらゆる手段を使って治すということです。 漢方薬には西洋薬の発想にない「温める」「冷やす」「加える」「除く」という発想があります。 漢方薬でないと治せない疾患があります。 漢方薬でないと治せない疾患がある以上、薬剤師として漢方薬は勉強すべきです。
・食事に迷ったら漢方の発想で
【身土不二】 生まれ育った土地で季節にとれる野菜を食べて気候や水、空気、土壌すべての環境を取り入れ、体のバランスをとることができるという考え方。 【一物全体食】 なるべく皮をむかずに根も葉も食べ、魚は皮、骨、内臓も食べるため小魚のほうが良いです。一物全体食によって様々な栄養素を摂取できます。